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「なんか、お前いつも1人ぼっちだよね」 「ううん、0.5人ぼっちよ」 「まぁそうだな、オレたちはまだ半人前だしな」 「誰か0.5人ぼっちの人いないかなぁ」 「それで1人になれるとか？」 「うん、それで1人だから分解しにくいじゃない」 「なるほどね オレも半人前だから0.5人ぼっちだと思うな」 「そうかな、少し大人だよキミは 0.7人ぼっちぐらいかな」 「たして1.2だからはみ出すかぁ でも、はみ出てもいいじゃない」 「だめよ、0.2人分が 他の大人びた0.8人ぼっちを吸い寄せて ややこくなるから」 「なるほど、もう少しガキになるかなぁ」 |
問題のある人間でも扱えるように クルマが進歩したので クルマ社会が退化してしまった 問題のある人間でも扱えるように インターネットが進歩したので コミュニケーションが退化してしまった 進歩できたのは走る技術よりも 止める技術が上がったからだ 止まらないクルマほど怖いものはない 止まらない書き込みほど痛いものはない 一番性能が遅れているのは心のブレーキだ |
きのこは実は宇宙人なんだと おじいちゃんが言っていた きのこ星人は地球人とは 争わない選択をしたが 地球人同士の争いに耐え切れなくなり 植物を見習うことにしたと おじいちゃんは言っていた ところが きのこ星人が黙りこんだら 地球人に食べられ出したそうだ 宇宙的な気味の悪い形態なので まさか食べられるとは 思っていなかったらしく この様子を見た他の宇宙人は 一切地球に近づかないことにしたらしい |
人は髪と爪の 伸びた部分を加工して 装飾に使っている 人の心も伸びる 伸びた部分を加工して 装飾に使っている 自由に伸ばせないが 自由に削れる 人は削って美しくなる |
日本の憲法に 戦争の放棄と戦力の不保持を 盛り込んだのはアメリカだ 二度と戦争をできない憲法にすれば 永久に占領することができるから なのに戦争放棄の憲法は 世界遺産だと アメリカに合掌する日本は まるでアメリカ合掌国 だから日本を守らざるを得ない 頼りにしていますと アメリカに合掌する日本は まさにアメリカ合掌国 そして戦争できない日本は フェアな商売で信用を築けた 敗戦国が経済大国になれたのは アメリカだと合掌する日本は やはりアメリカ合掌国 |
電車の中で 化粧している女は どこでもドアを持っている 今は洗面台の前にいるのだ 電車の中で 子どもを放置している一家は どこでもドアを持っている 今は茶の間にいるのだ 電車の中で 酒を飲んでいる男は どこでもドアを持っている 今は居酒屋の片隅にいるのだ 電車の中で 恋愛小説を読む私は どこでもドアを待っている 運命の人が突然現れるのを |
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