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「先生、検査結果をお知えてください」 「あなたには魅力成分が足りません いわゆる、素敵な人ではない 素敵障害者です」 「そうですか、それってどうにも」 「まぁ、魅力成分は 薬で補完できるものではありませんし 日常生活で自分を磨いていくしかないでしょう」 「先生、でも磨いても光らない原石かもしれませんよね？」 「磨いてもダメなら 削って形で勝負するというのもありでしょう 諦めないから輝くか 諦めて驚かせるかじゃないですかね」 「先生、リハビリとか訓練でなんとかなりませんか？」 「リハビリは、以前の状態に戻ることです 以前素敵な人だったのなら可能ですが」 「そうですよね、生まれて一度も 素敵と言われたことはないです」 「あなたは、素敵と言われたことはなくても 誰かに素敵だと言ったことは？」 「直接は、ありませんね」 「そうですか 誰かに素敵と言える自分って素敵だと思いませんか？ そこから始めてみましょう また一週間後に来てください」 |
オランダの アンネフランクの隠れ家に行った そこは八人が二年間暮らすにはとても狭く いつも誰かと隣り合わせた中で アンネは昔 本音の日記を記す その距離は驚くほど近いから 気づかれまいと書く ボクラは今 インターネット上で 本音の日記を記す その距離は驚くほど遠いから 気づかれようと書く |
ねえ 自分のことしか書いていない 新聞があったら キミは読みたいだろうか それとも書きたいだろうか そう 誰かが書いた自分の記事を読むか 自分が書いた自分の記事を 読んでもらうかを 選択しなくてはいけない うん 自分の事を知るよりも 自分の事を解って欲しいよね でも 三百六十五日 毎日書き続けられるかな まぁ 日刊となると 誰かが書いた記事を 毎日読むほうが楽だよね でも 三百六十五日 毎日読み続けるのもしんどいよね だから記事にならないように生きる やっぱり、これだね |
不自然な学校のほうが 自然学校よりも 自然がよく解る ブラック企業のほうが ホワイト企業よりも 世の中がよく解る クチコミのほうが マスコミよりも トレンドがよく解る だけど よく解っているよりも よく解らないほうが 自然に生きられる |
自動車、飛行機、電話 テレビ、インターネット 良かれと生まれた物で 世から疎まれた者が 不幸な事件を引き起こす 物づくりニッポン いや、者づくりだよニッポン |
夜勤の作業台 部品のはんだ付けをしながら あくびが出る 慣れない頃は眠ってしまって 何度も火傷をした 今夜も気をつけなくては はんだ付けはやり直しができて 部品の取り替えができる 高熱を加えればね 私の生き方もやり直しができて 誰かと取り替えができるかも 情熱を加えればね 眠くなって火傷をしないよう 背伸びをしても 情熱には届かない それでも私は社会の部品 まずは私をどこかに しっかりはんだ付けしなくては 情熱を加えるのはそれからだ |
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