62号 2012夏号の詩

  1. 自己嫌護
  2. 意味柱
  3. 人間合格
  4. 大人手当て
  5. ホラ耳
  6. さしすせソングス
作:イオン
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自己嫌護

好きだと言って拒まれて
あなたを嫌いになっていく

嫌だと言って傷つけて
自分を嫌いになっていく

どうでもいいと困らせて
互いを嫌いになっていく

ひとりになって淋しくて
この世を嫌いになりきると
なぜか誰かが現れる

また繰り返すと解っても
少しは学習したはずと
誰かを好きになっていく

好きだと言って拒まれて
誰かを嫌いになっていく

嫌だと言って傷つけて
自分を嫌いになっていく

もしかして
自分を嫌いになることで
自分の存在守ってる
自己嫌悪、いや自己嫌護




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意味柱

目指さないことを
目指すことに意味がある

努力しないという
努力をすることに意味がある

割り切れないことを
割り切ることに意味がある

知っているのに
知らないふりすることに意味がある

死にたくないから
死んだふりすることに意味がある




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人間合格

人を人間失格という人は
人間合格

人を人間合格という人は
人間失格

人を人間比較する人は
人間錯覚



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大人手当て

だから日本には
子育てを支援するための
子ども手当てが必要なのです

いや、子育てを支援するには
親が大人になることが大切です
そのために大人手当てが必要です

いや、手当の使い方が大切です
塾に出して子どもと一緒にいる時間を
減らすために使うのか
仕事を減らして子どもと一緒にいる時間を
増やすために使うのか



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ホラ耳

マスコミの報道は空耳だった
いや、ホラ耳だった


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さしすせソングス

「ねぇ、ねぇ、ケンちゃん
 知ってるかな?
 男が喜ぶさしすせそ」
「あぁ、なんか、聞いたことがある
 さ、酒
 し、下ネタ
 す、寿司
 せ、世界一
 そ、尊敬してる、かな?」

「ぜんぜん違う
 もらうと嬉しい物じゃなくて
 言われて嬉しい言葉よ
 さは、さすが
 しは、知らなかった
 すは、すごい
 せは、せっかくだから
 そは、そうなんだ」
「そうか、なるほどね
 確かに、そのさしすせそで
 ホメられれば嬉しいね」

「それじゃ、ケンちゃん
 女が喜ぶさしすせもあるのよ」
「えっ、そうなの?」
「さは、最高!
 しは、幸せだよ!
 すは、好きだよ
 せは、世界で一番君が好き
 そは、そのままでいいよ」
「なんか、男と違って
 もう、そのまま歌だね」
「そうね、女は歌でできてるの」




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