40号 2007冬号の詩

  1. 臆病神
  2. お徳まえ豆腐
  3. 僕らの名前は生きている?
  4. 違法コピー
  5. 仕事仕事仕方ない
  6. 人材の倉庫
作:イオン
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臆病神

そう言われても困ります
昔の彼が厄病神で
わたしは臆病神になって
恋をしたいとも思わないの

そうか、でも
臆病神も神様だから
ボクにとっては女神だよ




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お徳まえ豆腐

男前ではない
お徳があたりまえの
豆腐を作りたいんだ

臭いのではない
くださいと言われる
納豆を作りたいんだ

辛いのではない
だからいいと言われる
煎餅を作りたいんだ

マメだけではない
マジメだと言われる
男になりたいんだ



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僕らの名前は生きている?

清、正人、誠、
愛美、真理、良子
人間として清く正しく美しく
誠実に生きていくように
願いをこめて名付ける大人が
「そんなことじゃ社会は渡れないよ」
と言って
平気で汚れている

僕らは
僕らは名前の通りに生きちゃ
いけなの?




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違法コピー

「キミって、歌手のYくんに似てるね」
「ボクの顔はオリジナルです
 人の顔を勝手にコピーしないでください」

「キミの考え方って、第三課のSさんに似てるね」
「ボクの思考はオリジナルです
 人の思考を勝手にコピーしないでください」

「キミの生き方って、ありきたりだね」
「もう、お願いだから
 ボクを違法コピーしないでください
 アナタのそういう言い方って
 Tさんそっくりですよ
 アナタこそ違法コピーでは?」

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仕事仕事仕方ない

私が自然を壊したんじゃない
仕事だから仕方ない
  
私が家庭を壊したんじゃない
仕事だから仕方ない

私が彼を壊したんじゃない
仕事だから仕方ない

文句があるなら
仕事に言ってくれ
私も仕事で壊れているんだ
壊れた私にできる事は
仕方ない事ばかり

そうだね
それも縮めて言うと
「仕事」だね



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人材の倉庫

日本は人材の宝庫だったが
いまやフリーターや派遣社員を
人材の倉庫から取り出してくる
しかも倉庫は
適温管理していない



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