36号 2006冬号の詩

  1. 賽銭泥棒
  2. 宮沢賢治朗のホームページ
  3. キャッチボーク
  4. 残業
  5. ネムイダー01
  6. ここでもドア
作:イオン
Back to 季刊詩集


賽銭泥棒

十分な
ご縁が今年はあるように
投げた賽銭十五円
ただ同然で願い事

いえいえそんな
このご時勢
神様だって成果主義
願い事が叶ったら
出来高払いで来年の
賽銭額に上乗せる

神と言えども
このご時勢
ただ同然の元金で
願いを叶える訳がない

賽銭を投げる方も受け側も
互いに泥棒とは知らず
チャリンとお金が落ちていく



|タイトル|

宮沢賢治朗のホームページ

すいません
ご指摘の通り
私のホームページは
インターネット検索で
「宮沢賢治 詩」と
入れれば出て来ます

小説「カネの又三郎」では
宮沢賢治になりきって
世相を批判しています
はい「銀河小説ホラエモン」についても
やり過ぎとの声は頂いています

宮沢賢治のようになりたくて
作品を書いていますが
死ぬ前にちゃんと評価される
「朗らかな」宮沢賢治を
目指しているだけです

人はおもしろいか
ありがたいかでしか
寄り付かないと言われます
ずるいと言われても
まず、読まれる機会が必要です

人が寄り付くまでは
見逃してください
太宰治虫さん



|タイトル|

キャッチボーク

投げるか投げないか
相手を惑わしてボーク
正々堂々闘えない
普通に投げればただの人
自分は違うと力むほど
この世の中は生きにくい
なめているとか
中途半端とか
自称自分に厳しい人は
生きるスタイルにケチをつけるが
それこそ投げるふりをした
ボークだ




|タイトル|

残業

残りものには福がある
そう信じて疑わない、22時10分


|タイトル|

ネムイダー01

朝8時から夜10時まで仕事
残業が当たり前の毎日

職場では機械のように扱われる
キカイダー
自宅では粗大ゴミのように扱われる
ネムイダー

どちらも人造人間
誰かに作られた自分だ



|タイトル|

ここでもドア

どこでもドアは空想の話
ここでもドアは現実の話

あそこでもここでも
簡単に開かないドアばかり

行きたい所に行けるのは
どこでもドア
生きたい姿じゃ開かない
ここでもドア




|タイトル|

Back to 季刊詩集館


Back to MainPage