21号 2002春号の詩

  1. 1センチメンタル
  2. アイラブ領収書
  3. 夕張メロン
  4. 催眠不足
  5. どこかの町でおかあさんといっしょ
作:イオン

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1センチメンタル

あなたに想いが届かない夜

あなたとわたしの心の距離を
1センチメンタルとすると
月までは3センチメンタル



|タイトル|

アイラブ領収書

「お客さま
 お買い上げは300ラブになります」

「高いなぁ
 領収書をください」

「残念ですがお客さま
 領収書のいらない愛は
 終わったようですね」



|タイトル|

夕張メロン

夕張メロンの味は
チョコレートで知ってはいたけど
本物のメロンは全然違った

チョコレートは
化粧と香水で練り上げた味だと
解っていながら満足していた

ボクの女性を見る目が変わった



|タイトル|

壁は立ちふさがるだけではない
しがみつくことも
よじ登ることも
壊すこともできる
よりかかれば
居場所にもなる



|タイトル|

催眠不足

人間は
睡眠時間を終えると
催眠時間が始まるのです
それが、動物との人間の
大きな違いです

父親として
母親として
人妻として
社会人として
公務員として
先生としてなどなど

催眠が不足すると
らしさがなくなります



|タイトル|

どこかの町でおかあさんといっしょ

娘を膝の上に乗せてテレビ番組を見る
あなたもきっと同じ画面を見ているのだろう

同じ太陽の光を浴びるように
同じ歌のお姉さんの笑顔を浴びている
一緒に笑っているのに
一緒には居ない

幸せだと聞いた
どこかの町で
おかあさんといっしょ



|タイトル|

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