「あたし、ミリキがホシイの」

「それはミリョクって読むんだよ」

「それ、それ、ミリョクがホシイの」

「魅力よりも、お前に必要なのは知性だな」

「チセイ？　いやだミリキがホシイの
　ねぇ、ミリキちょうだい?」

「わかったよ、それじゃ
　そこのコンビニ行ってこいよ」

「えー、ウソー、コンビニでミリキ売ってるの？」

「店をグルッと回って出るとき、振り返るんだよ
　みんながお前を見てたら、魅力ゲットということさ」

「エー、ホントー、タダなんだ、行ってくるネ」

「あなた、Windows95使っているの？」

「うん、先祖代々うちは95なんだ」

「もう来月には、Windows 20000が出るのよ
　二万よ、にまん！」

「だって、まだまだ、動くんだもん」

「あなたみたいな人がいるから
　パソコン産業が衰退したのよ」

「でも、使えるものは、捨てちゃダメって
　ママに言われてるからさ」

「そう、あらやだ、以外にサクサク動くのね」

「95はクラシックカーと同じなんだ
　シンプルだけど手がかかる
　動かすのに苦労するけど、それが楽しい」

「いずれパソコンもクルマと同じ運命なのね
　でも、クラッシクカーでは
　安心してファイル作りはできないわ
　だから二万よ、にまん！」

こちら円盤４３５号
地球での第一回調査報告をします

地球人の心を読んだところ
「ボクだけは違うんだ
　ボクだけが違うんだ
　ボクだけきっと火星人なんだ」
と、心の中で叫んでいるんです

地球人は、実は火星人かもしれません

「我々宇宙人が、地球を手に入れるには
　パソコン一台あればいいんだ」

「隊長、パソコンでネットワークを破壊するなんて
　そんな、簡単にはいかないですよ」

「大丈夫、簡単だ
　いいか、このパソコンでインターネットに
　猥褻な画像を流して、男性を満足させるんだ
　本物の女が面倒になる、そこが狙い目だ」

「隊長、なるほど、子孫繁栄を抑えさせて
　戦力ダウンを狙うんですね」

「そうだ
　そして、インターネットに甘い言葉を並べて
　女性も満足させるんだ
　本物の男が面倒になる、そこも狙い目だ」

「なるほど、さすがです
　ところで隊長
　我々はそんな地球を征服することで、いったい
　どんな満足を得られるんでしょうか？」

「人間には、ほとほと参ったね
　もう、何回やり直させても駄目なようだね
　輪廻転生政策を打ち切ろうかね」
「そうですね、神様
　それでは、どのような最終回に
　いたしましょうか？」
「んー、そうだね
　君は何かアイディアはないかね？」
「はい、んー、そうですね
　人類を滅亡させれば
　物理的に地球に
  生まれ落ちることができません
  明日にでもドカーンと一発で
  派手な最終回というのはどうでしょう」
「なるほどね、でもね、神の立場としてはね
　もっとやさしく、やさしくいきたいね
　まだまだ地球も使えることだし」
「それじゃ、人類をこのまま増やし続けて
  あの世の人間すべてを
  地球に集めるのはどうでしょうか」
「明日から誰も死ななくなる
  んー、そんな静かな最終回ね
  いいですね、考えておきましょう」

「おい、武田、右手に包帯巻いて
　どうしたんだ？」
「いや、ちょっと、怪我して、大丈夫だよ」
「そうか、ならいいんだが
　ところでさ、1999年７の月
　結局なんにも、起きなかったなぁ」
「そうだね、表向きはね」
「なんだ、また、なんか、ひっかること言って
　気持ち悪いぞ、武田」
「あぁ、ごめんね」
（昨日、宇宙で戦って来たなんて言えるかよ）